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省エネリフォームのメリットや種類・施工事例について解説

リフォームしたい
2022.08.18

地球温暖化が深刻化する昨今、夏期は厳しい暑さに見舞われることが増えました。

暑さを懸念する人の中には、夏場を涼しく過ごすために、住宅を工夫をされている方もいらサンシェードは、日光をっしゃるようです。

夏場の暑さ対策だけでなく、最近のエネルギー価格の高騰を踏まえると、お住まいの省エネルギー・節電対策を行ったほうが良いかもしれません。

そこで今回は、リフォームで行う省エネルギーや節電対策についてお話しします。

省エネリフォームを行う必要性やメリットは?

省エネルギーや節電対策に向けたリフォームについてお話しする前に、まずは住まいと省エネルギーについて見ていきましょう。

住まいの省エネルギーとは

経済産業省 資源エネルギー庁のデータによると、家庭でのエネルギー消費において、冷暖房が約30%を占めているそうです。

そこで、冷暖房に関わるエネルギーを少なくした住宅を「省エネ性能が高い住宅」と呼んでいます。

省エネルギー住宅を実現するためには、「断熱」「日射」「気密」が重要な要素になります。

「断熱」とは、屋外から室内、室内から屋外への熱の移動を遮断することです。熱の移動量を少なくすることで、エネルギーの消費量を抑えられます。

「日射」は、夏場において室内の温度が上がる大きな原因です。日射遮蔽(にっしゃしゃへい)を行うことにより、室内の温度上昇を抑えられます。

「気密」とは、熱ではなく空気の移動を遮断することです。住まいにすき間があると、そこから空気は出入りします。

空気の移動による温度変化を抑えるために、すき間を少なくすることが大切です。

省エネリフォームを行うメリット

寒暖差が小さくなる

省エネリフォームを実施するメリットとして、「住宅の寒暖差を小さくできる」点が挙げられるでしょう。

季節に大きく影響されず、年間を通して快適な温度を維持できるということです。

夏場は涼しく、冬の季節は暖かい気温を保つことができます。

さらに、家の中で寒暖差があると血圧や脈拍が大きく変化する可能性があり、ヒートショックを起こす危険性があるため、注意が必要です。

地球温暖化対策になる

「地球温暖化対策になる」点も、省エネリフォームを実施するメリットの一つです。

省エネ性の低い住宅だと冷暖房を多く使用する必要があり、その分消費するエネルギー量が多くなります。

エネルギーの消費量が増えるほど、二酸化炭素の排出量が増加するため、地球温暖化を加速させる原因となるのです。

しかし、省エネリフォームを行えば、消費エネルギー量を抑えられるため、地球温暖化対策に繋がります。

耐久性や遮音性が向上する

省エネリフォームは「断熱」・「日射」・「気密」のみならず、「耐久性や遮音性の向上」にも繋がります。

耐久性が高まれば地震などの災害時にも安心ですし、メンテナンスを適宜行えば、住宅の耐用年数を長期化させることが可能です。

さらに、遮音性が高まれば外部からの騒音を遮断できるだけでなく、小さいお子様や音楽の習い事をしている場合でも、近所に迷惑がかかりません。

家庭で使われるエネルギーについて

家庭で使用されるエネルギーの用途は、主に7種類に分類されます。

以下で、用途の種類と消費量の割合を併せて確認していきましょう。

用途割合
暖房27%
冷房5%
給湯28%
照明12%
換気5%
調理4%
家電19%

上表から、全体の中でも「暖房」と「給湯」のエネルギー消費量割合が高いことが伺えます。

そのため、暖房と給湯に関連したリフォームを実施することで、効果的に省エネを実現できると言えます。

省エネリフォームの種類や費用は?

それでは、省エネリフォームにはどのような種類があり、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

断熱リフォーム

住宅の断熱性能を向上させることで、快適性や健康性が向上する可能性があります。

以下で、具体的な断熱リフォームの方法について確認していきましょう。

窓リフォーム

断熱性を向上させるために、窓リフォームは重要です。

熱の出入りが最も大きい場所は窓などの開口部と言われています。

具体的には、夏場においては室内の熱の71%が開口部から侵入し、冬場においては室内の熱の48%が開口部から逃げているそうです。

そのため、「二重窓」や「複層ガラス」、「樹脂窓」を採用するなどして、窓の断熱性を高めることをおすすめします。

二重窓は「8〜15万円前後」、複層ガラスは「3〜10万円以上」を目安にすると良いでしょう。

内窓のイメージ(LIXIL商品 インプラス)

玄関ドアリフォーム

玄関ドアも窓と同様、開口部に該当するため、断熱リフォームを検討すると良いでしょう。

北海道や東北地方など、特に断熱性能が求められる地域の場合、「ドライ枠」や「断熱ドア」、「Low-E複層ガラス」に変えるなどのリフォームを行うことをおすすめします。

玄関ドアのリフォーム費用は、リフォーム内容によって大きく変わってきますが、30万円程度でリフォームを実施するケースもあるようです。

設備交換リフォーム

省エネは高効率な設備を導入することでも実現可能です。

例えば、省エネ性能を持った暖冷房機器、エコキュート、エコジョーズなどの交換を検討しましょう。

こういった設備交換は、更新タイミングに合わせるのがポイントです。

高効率給湯器

高効率給湯器に交換することで、省エネ対策を実現できます。

先述の通り、給湯は、家庭で消費するエネルギーの28%を占めています。

このため、多くのエネルギーを消費するガス給湯器や電気温水器を交換するだけでも、大幅な効果を期待できるのです。

こういった高性能給湯器を導入するには、導入する機器の種類にもよりますが、「35〜60万円」程度のコストがかかるでしょう。

節水トイレ

トイレに関しては、節水トイレへの交換を検討すると良いでしょう。

節水トイレとは、6ℓ以下の水で洗浄を可能にする省エネトイレのことです。

少ない水でも便器全体を洗浄できるため、環境に優しい暮らしを実現するだけでなく、水道代の節約にもつながります。

節水トイレにかかる費用は「15〜30万円」程度です。

自家発電導入リフォーム

省エネを実現する方法の一つとして、自家発電導入リフォームが挙げられます。

以下で、詳しいリフォーム内容について確認していきましょう。

太陽熱利用システム

近年、太陽熱利用システムを導入する家庭は多く見られるようになりました。

太陽熱利用システムを導入すれば、太陽の熱から作り出したエネルギーで家庭の消費電力をカバーできるようになります。

ある程度の導入コストはかかるものの、光熱費を節約できるため、長期的に見たら家計にもやさしいリフォームと言えるでしょう。

導入コストは数十万円です。

蓄電池

蓄電池とは、太陽熱利用システムと一緒に導入されることが多い設備です。

蓄電池があれば、日中に作り出したエネルギーを貯めておけるため、夜間に使用する消費電力もカバーできるようになります。

さらに、災害時に電気がストップした場合でも、蓄電池があれば電気を使用できます。

蓄電池の導入コストは「20〜30万円」前後です。

省エネリフォーム(2024年)の補助金や減税の活用について

ここでは、省エネリフォームの補助金や減税の活用について説明します。

住宅省エネ2024キャンペーンについて

住宅省エネ2024キャンペーンとは、国土交通省や経済産業省、環境省によって推進されている補助事業であり、「子育てエコホーム支援事業」、「先進的窓リノベ2024事業」、「給湯省エネ2024事業」、「賃貸集合給湯省エネ2024事業」の4つの補助事業で構成されています。

これらの補助事業は、2050年までにカーボンニュートラルを実現する目的で実施されており、交付される補助額は補助事業の種類によって異なります。

子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業とは、エネルギー価格など物価高騰の直接的な影響を受けやすい子育て世代を支援する目的で実施されている補助事業です。

子育てエコホーム支援事業における補助額は、以下の通りです。

長期優良住宅
(注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入)
50万〜100万円
ZEH住宅
(注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入)
40万〜80万円
リフォームリフォーム工事内容に応じて定める額
※子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅購入を伴う場合は上限60万円
※長期優良リフォームを行う場合は、子育て世帯・若者夫婦世帯:上限45万円/戸、その他の世帯:上限30万円/戸
参考:子育てエコホーム支援事業

先進的窓リノベ2024事業

先進的窓リノベ2024事業とは、断熱窓へのリフォームを促進し、既存受託の省エネ促進を目指すための補助金事業です。

交付される補助額は、住宅の建て方、窓の性能、大きさ、設置方法によって変動しますが、基本的に5万円〜最大200万円です。

参考:先進的窓リノベ2024事業

給湯省エネ2024事業

給湯省エネ2024事業とは、給湯分野の省エネを目指すための補助金事業です。

先述した通り、給湯分野は家庭のエネルギー消費において大きな割合を占めます。

補助対象は、戸建、共同住宅等を問わず、高効率給湯器を設置する事業者です。

基本的に、給湯省エネ2024事業で交付される補助額は以下の通りです。

ヒートポンプ給湯機8万円
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)10万円
家庭用燃料電池(エネファーム)18万円
参考:給湯省エネ2024事業

賃貸集合給湯省エネ2024事業

賃貸集合給湯省エネ2024事業は、小型の省エネ型給湯器の導入を支援する賃貸集合住宅向けの補助金事業です。

基本的に、既存賃貸集合住宅の1棟あたり、賃貸住戸2戸以上の住戸において小型の省エネ型給湯器を促進する事業が対象となっています。

賃貸集合給湯省エネ2024事業の補助額は以下の通りです。

エコジョーズ5万〜7万円
エコフィール5万〜7万円
参考:賃貸集合給湯省エネ 2024事業

省エネリフォームによる減税について

省エネリフォームは国によっても促進されており、減税制度を利用することができます。

固定資産税の減額

2023年末に発表された、令和6年度の税制改革大綱によると、翌年度の固定資産税額から、省エネ改修の実施により1/3、長期優良住宅化リフォームの実施により2/3が減税される特例が延長されることになりました。

延長期間は、令和6年4月1日~令和8年3月31日となっています。

参考:令和6年度 国土交通省税制改正事項 (住宅局関係抜粋) 

省エネ改修促進税制

省エネ改修促進税制とは、省エネリフォームにおいてローンを組んだ際に、所得税が減税される制度のことです。

同制度を利用すると、住宅ローン(上限1,000万円)か、リフォーム費用(上限200万円)の低いほうが2%控除されます。

ちなみに、対象は平成20年4月1日〜令和3年12月31日にリフォームが完了した人になっているので注意してください。

省エネリフォームの施工事例

ここでは、省エネリフォームの施工事例を紹介します。

ダブル断熱、トリプルガラスで機能性とインテリア性を兼ね備えた住宅

まず最初に紹介する事例が、白とグレージュカラーを使ってデザイン性の高い住宅に仕上げたリフォームです。

インテリア性の高さだけでなく、ダブル断熱とトリプルガラスを取り入れて省エネを実現しました。

さらに、掃き出し窓を設けることで光がしっかり入る設計にし、自然光の中で過ごせるように工夫しています。

参考:グレージュインテリアで作る快適空間の家

冷暖房効率を考えた24時間熱交換型換気システムの導入

続いて紹介する施工事例は、フロントの3本ラインが印象的な住宅です。

自宅に駐車スペースや仕事場を設けるため、住み替え・リフォームを実施しました。

24時間熱交換型換気システムを導入することで、冷暖房の効率化を実現。

給排気口の設置場所も工夫したと言います。

参考:ベストな動線と設備に熟考を重ねた終の棲家の完成形

内窓の取り付けと壁を厚くすることで断熱性を確保

続いては、中古マンションのリフォーム事例です。

依頼主の方は、湿気によるカビと結露に長年悩まされてきたと言います。

外部に接する窓に内窓を取り付け、壁を厚くすることで断熱性の向上を実現しました。

さらに、断熱性だけでなく遮音性も高まり、生活しやすくなったと言います。

参考:イベントをきっかけに悩まされていたカビと結露を解決

長時間お湯がさめにくい浴槽の導入

次に紹介する施工事例は、使いやすくするだけでなく、光熱費を抑えるために、キッチン・浴室・洗面・トイレを最新の設備にアップデートした事例です。

間取りの変更を行わず、壁紙や床の張替えを実施。

浴槽は、長時間お湯が冷めにくくなる、保温性の高い最新の製品を採用し、光熱費の削減を実現しました。

参考:リフレッシュリフォームのお手本にしたい 水廻り・内装リフォーム

補助金を活用して内窓を設置

続いては、窓の断熱性能を高める事業に対して交付される補助金「先進的窓リノベ事業」を利用した事例です。

築25年を迎えた住宅に設置したシングルガラスのアルミサッシだと結露がひどく、断熱性も低いため、依頼主の方は「内窓を取り付けたい」と長年感じてきたと言います。

工事では、既存の掃き出し窓に内窓用のスチールと樹脂の複合枠を取り付けるなどして、工事完了後に補助金が交付されました。

参考:内窓を付けてみた!〜リフォーム体験レポート内窓編

断熱性能の高い家にリノベーション

最後に紹介する施工事例は、納屋をリノベーションしたケースです。

1階を和室に、2階をワンフロアで暮らせる空間にするために、リフォームを実施しました。

ゲストが集まる1階は、床と壁に断熱材を入れてペアガラスのサッシに交換。

さらに、横長の滑り出し窓に変更することで、機能性を兼ね備えた空間を実現しました。

参考:築約60年の納屋をセカンドライフの住まいに

省エネリフォームを成功させるために

省エネリフォームを成功させるためにはどうすれば良いのでしょうか?

インスペクションを行う

インスペクションとは、「調査」や「検査」といった意味をもち、リフォームにおいては「建物調査」のことを指します。

インスペクションを行うことで、建物の劣化レベルなどを知ることができ、将来的なリフォームにおける計画をしやすくなるのです。

通常、インスペクションは業者に依頼して行ってもらいます。

所要時間は1〜3時間程度、費用は5〜10万円程度です。

インスペクションを行うことで、リフォームすべきポイントが明らかになるため、具体的なリフォーム内容を考えやすくなります。

目標設定を行う

省エネリフォームを成功させるためには、まず目標設定を行いましょう。

省エネと一概に言っても、省エネ効果の最大化、コスト削減、快適性の向上など、リフォームの目的はさまざまです。

自分が重視するポイントを明確にすることで、最適なリフォーム方法を明確にすることができます。

補助金や減税制度を最大限活用する

コストを抑えてリフォームを実施したい人は、補助金や減税制度を最大限活用しましょう。

本記事で紹介した「住宅省エネ2024キャンペーン」は、補助対象が重複しない場合は、併用することができます。

こういった制度を最大限活用することで、予算内でさまざまな工事を実施できる可能性が高まります。

信頼できる業者に相談する

省エネリフォームを実施する場合、信頼できる業者に相談することが大切です。

業者によって提案力やサポート内容、費用などは大きく異なります。

複数の業者に一度見積もりを作成してもらい、比較検討すると良いでしょう。

公式サイトなどでも情報を十分に集めることをおすすめします。

省エネリフォームの相談ならトータテリフォームセンターへ

今回の記事では、

  • 省エネルギーや節電対策の必要性
  • 窓リフォーム・玄関ドア・エコ住宅設備から始める省エネ対策
  • 省エネリフォームの施工事例
  • 省エネリフォームを成功させるためのポイント

を解説しました。

省エネリフォームを成功させるためには、実績と信頼のある業者を選ぶことが重要です。

トータテリフォームセンターは、これまでにさまざまな省エネリフォームを実施してきました。

公式サイトでは、施工事例なども詳しく紹介していますので、

興味のある方は一度チェックしてみてください。

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