住まいと暮らしの最新情報をお届け

TOPICS住まいのコラム

サンルームの固定資産税はバレない?後付けは申請しないとだめなの?

暮らしのヒント
2024.05.20

「サンルームは固定資産税の課税対象となる?」
「後付けのサンルームにデメリットはある?」

と疑問を持っている人はいませんか。

サンルームを後付けしようと考えている人は、固定資産税について正しい知識を身につけることが重要です。

今回の記事では、

  • ・固定資産税・サンルームの基礎知識
  • ・サンルームが固定資産税の対象となるか
  • ・サンルームの後付けがバレる可能性
  • ・サンルームのメリット・デメリット
  • ・サンルームの費用
  • ・後悔しないためのポイント

について解説します。

サンルームの後付けを考えている人や、固定資産税について調べている人は、ぜひ参考にしてください。

はじめに固定資産税とは?

固定資産税とは、「土地・家屋・償却資産の所有者に対して、固定資産の価格・価値に応じて課せられる地方税」です。

毎年1月1日に所有している資産が課税対象となります。

償却資産(しょうきゃくしさん)とは、土地や家屋以外に課税対象となる資産です。

例えば、構築物や機械・装置、船舶、航空機、車両・運搬具、工具、器具、備品などが該当します。

償却資産とされる資産例を業種別にまとめました(東京都の場合)。

業種償却資産に該当する資産例
製造業金属製品製造設備、食料品製造設備など
印刷業各種製版機・印刷機、断裁機等など
クリーニング業洗濯機、脱水機など
参考:固定資産税(償却資産)

サンルームって何?

サンルームとは、庭の一部を屋内化したスペースのことです。

天井や壁をガラス張りにすることで、開放感の溢れた空間を実現できます。

サンルームの主な活用方法は以下の通りです。

  • ・テーブルと椅子を置いてお茶・食事を楽しむ
  • ・雨天時に洗濯物を干す
  • ・セカンドリビングとしてリラックスできる空間にする
  • ・子供の遊びスペースとして活用する
  • ・読書、手芸、絵画などの趣味を楽しむ
  • ・屋内キャンプを楽しむ

このように、サンルームはさまざまな方法で活用できます。

サンルームとテラス囲いとの違い

サンルームテラス囲い
コンクリート基礎工事ありなし
費用50万~80万円30万~55万円
屋根の素材ガラスポリカーボネート
イメージ家の一部家の延長

テラス囲いとは、テラスをガラスで囲った簡易的なテラスルームのことです。

サンルームは基礎をコンクリートで増築しますが、テラス囲いの場合は屋根の柱と補助柱のみを増築するため、サンルームよりも簡易的な設計と言えます。

サンルームが「家の一部」であるのに対し、テラス囲いは「家の延長」と言えるでしょう。

テラス囲いはコストを抑えて、テラスの一部を屋内化したい人に人気です。

さらに、サンルームの屋根の素材は「ガラス」が用いられることが多いですが、テラス囲いの素材は「ポリカーボネート」が用いられる傾向にあります。

屋根付きウッドデッキとサンルームの違い

サンルームウッドデッキ
コンクリート基礎工事ありあり
費用50万~80万円25~40万円
屋根の素材ガラスポリカーボネートなど
イメージ家の一部テラスの一部

屋根付きウッドデッキとは、庭に設けるエクステリアアイテムのことです。

室内を延長させるために、木材を使ってスペースを作ります。

ウッドデッキを作ることで、外で食事をしたり、ペットの遊び場にしたりすることが可能です。

サンルームは固定資産税の対象になるのか?

それでは、サンルームは固定資産税の対象になるのでしょうか?

結論から述べると、サンルームは固定資産税の課税対象です。

サンルームは「家屋」と見なされるケースが多く、固定資産税の対象となります。

家屋か判断する基準は以下の通りです。

  • ・外気分断性:雨風が屋内に入らないような周壁・屋根があるか
  • ・土地定着性:土地に定着し、移動しないで利用できるか
  • ・用途性:目的とする用途を達成しているか

ウッドデッキやテラス囲いに関しても、上記の基準を参考にして課税対象になるかを判断しましょう。

自己判断が難しい場合は、必ず工事業者や自治体に確認するようにしてください。

サンルームの固定資産税の計算方法

サンルームの固定資産税は、以下の計算式で算出してみましょう。

サンルームの評価額 = 85,000円 × サンルームの床面積

例えば、サンルームが3坪(9.91平方メートル)である場合、サンルームの評価額は「842,350円」です。

算出された評価額に税率をかけて、課税額が決まります。

こちらの計算式は高めに見積もった計算式であるため、あくまで目安として認識してください。

テラス囲いにかかる固定資産税

テラス囲いに固定資産税が課税されるかは、地方自治体の判断によります。

上記で説明したように、テラス囲いなどのスペースが屋内かどうかは、外気分断性や土地定着性、用途性によって判断されます。

固定資産税の課税対象になるか不安な方は、リフォーム工事等を実施する前に工事業者や地方自治体に確認してください。

後付けでテラス囲いを増築する際も、地方自治体に申告が必要なケースもあるため、同様に確認することが大切です。

屋根付きウッドデッキにかかる固定資産税

屋根付きウッドデッキは、固定資産税の課税対象になるケースがあります。

テラス囲いと同様に、外気分断性や土地定着性、用途性によって判断されます。

しっかりと工事業者や地方自治体に確認しておきましょう。

サンルームの耐用年数

サンルームの耐用年数(減価償却資産が利用できる期間)は「構造・用途」によって変わってきます。

以下、国税庁が公表している耐用年数の情報を一部抜粋しました。

構造・用途耐用年数
木造・合成樹脂造のもの(店舗用・住宅用のもの)22年
金属造のもの(店舗用・住宅用のもの)19〜34年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの(住宅用のもの)47年
参考:国税庁│主な減価償却資産の耐用年数表

このように、サンルームの種類によって耐用年数が異なるため、しっかりと確認しておきましょう。

固定資産税の対象とならない部屋・設備はあるのか?

固定資産税の課税対象と見なされない部屋や設備もあります。

例えば、「屋根裏部屋(ロフト)」と「サービスルーム(準備室)」は「居室」として見なされないため、固定資産税の課税対象と見なされません。

屋根裏部屋(ロフト)に関しては、天井の高さが1.4m以下のスペースが該当します。

こういったスペースを活用して収納スペースやウォークインクローゼットを設ける人も見受けられます。

サンルームの後付けはバレないのか?

サンルームのリフォームを考えている人の中には、「サンルームを後付けする場合は、正直バレないのでは?」「申請って本当に必要?」と考えている人もいるのではないでしょうか?

結論から述べると、申請をしていないと自治体にバレてしまう可能性があります。

基本的に10㎡を超える増築の場合、建築確認申請の手続きを行わなくてはいけません。

そのため、サンルームのリフォームを考えている人は、建築確認申請について情報を集めておくことが大切です。

後付けをして申請していないとどうなるのか?

サンルームを後付けした場合、申請しないとどうなるのでしょうか?

地方自治体によって対応方法は異なりますが、申請を促されたり、中には撤去を求められたりするケースもあります。

撤去となると余計なコストが発生してしまうため、サンルームの増設時にしっかりと申請手続きを行うことが重要です。

不安な方はリフォーム前に自治体に確認するようにしてください。

サンルームを設けるメリットとは?

それでは、サンルームを設けることでどのようなメリットを得られるのでしょうか?

以下で、サンルームを設置するメリットを紹介します。

天気を気にせず洗濯物を干すことができる

サンルームを設置するメリットとして、天気を気にせず洗濯物を干せることが挙げられるでしょう。

サンルームは天井や壁がついているため、雨風が侵入することはありません。

そのため、雨や強風など、天候に左右されずに洗濯物を干すことができます。

さらに、天井や壁がガラスでできているので、「天気は良いが風が強い」といった場合でも、お日様の下で洗濯物を干すことが可能です。

他にも、花粉や黄砂なども洗濯物につかないため、洗濯し直しといった事態を防ぐことができます。

いろいろな用途で活用することができる

サンルームを設けるメリットには、さまざまな用途・目的でスペースを活用できる点が考えられるでしょう。

例えば、セカンドリビングや洗濯物干しスペース、子供の遊びスペース、屋内キャンプなど、サンルームの活用方法は多岐に渡ります。

夏場はキャンプ用スペースとして使用し、冬場は物置にするなど、季節によって活用方法を変えることも可能です。

それぞれのご家庭のニーズや状況に合わせて、サンルームを活用してみてください。

光が入り開放感がある

光が入り開放感がある点も、サンルームを設置するメリットの一つです。

通常の部屋は天井や壁がガラス張りという訳ではないので、全方面から光を取り入れることはできません。

しかし、サンルームであれば天井や壁がガラス張りになっているため、光の溢れた空間を作り出すことができます。

開放感があるサンルームは、ガーデニングスペースとして活用したり、ヨガマットを敷いて運動用のスペースにしたり、さまざまな方法で活用できます。

断熱性があり光熱費を抑えられる

サンルームを設置するメリットとして、断熱性があり光熱費を抑えられる点が考えられます。

サンルームは、いわば「二重窓」のような役割を担うため、リビングなどの断熱性がアップしやすいです。

断熱性が向上すれば冷暖房の効率化を図れるため、結果的に光熱費の節約を実現できます。

ここまでサンルームを設置するメリットについて紹介しました。

それでは、サンルームにはデメリットはあるのでしょうか?

後付けのサンルームにデメリットはあるのか?

以下で、サンルームのデメリットについて確認していきましょう。

設置に費用がかかる場合がある

サンルームを後付けするデメリットとして、設置に費用がかかる点が挙げられるでしょう。

サンルームの費用相場は「50万〜80万円」程度です。

さらに、エアコンの室外機や花壇などの設備がすでに設置してある場合、撤去工事の費用がかかります。

加えて、防水措置や定期的なメンテナンスによって、追加費用がかかることも覚えておきましょう。

うまく活用できず物置になってしまう場合がある

活用できないと物置になってしまう点も、サンルームを後付けするデメリットです。

「サンルームでお茶をする」、「子どもの遊びスペースとして活用する」など、設置当初は使い方のイメージがあったものの、実際はあまり使われなかったというケースも少なくありません。

例えば、外からの視線が気になる、夏は暑く冬は寒いなど、サンルームが使われなくなる理由はさまざまです。

そのため、デメリットについて十分に理解した上で、サンルームを設置することをおすすめします。

汚れが目立ち掃除をするのが大変

サンルームを設置するデメリットとして、汚れが目立ち掃除をするのが大変ということが考えられるでしょう。

サンルームはガラス張りなので、サッシなどに汚れが溜まりやすいためです。

定期的にお手入れする必要があり、面倒に感じている人も多く見受けられます。

「掃除するのが面倒で、結局物置になってしまった」という事態を避けるためにも、定期的にお手入れする時間を確保できるか、確認しておきましょう。

固定資産税がかかる

サンルームを増築すると、その分固定資産税がかかる点がデメリットに挙げられます。

サンルームを増築することで建物面積が増えてしまうため、工事前よりも固定資産税が増えてしまうのです。

5〜6畳程度のサンルームであれば、年間1〜2万円程度の固定資産税が増えるイメージでしょう。

サンルームを検討している人は、どれくらい固定資産税が増えるかを確認しておくことをおすすめします。

サンルームの設置にかかる費用はどのくらい?

サンルームの設置にかかる費用は、「どこに設置するか」によって変わってきます。

以下の表で、設置場所ごとの費用相場をまとめました。

設置場所費用相場
一戸建ての庭約50〜110万円
一戸建ての2階約45〜70万円

また、それぞれのサンルームのタイプによって、設置費用が異なります。

ここでは、サンルームの4つのタイプについて、サイズ別に紹介します。

床納まりタイプ

床納まりのサイズ別の設置費用は以下の通りです。

サイズ費用相場
横幅2,730mm×奥行1,785mm約50万~85万円
横幅3,640mm×奥行1,785mm約55万~90万円
横幅3,640mm×奥行2,685mm約70万~110万円

土間納まりタイプ

土間納まりタイプの費用相場を確認していきましょう。

サイズ費用相場
横幅2,730mm×奥行1,785mm約45万~70万円
横幅3,640mm×奥行1,785mm約50万~75万円
横幅3,640mm×奥行2,685mm約65万~90万円

造付バルコニー囲いタイプ

造付バルコニー囲いタイプの費用相場は以下の通りです。

サイズ費用相場
横幅2,730mm×奥行885mm約45万~55万円
横幅2,730mm×奥行1,785mm約50万~65万円
横幅3,640mm×奥行1,785mm約55万~70万円

アルミバルコニー納まりタイプ

最後にアルミバルコニー納まりタイプの費用相場を紹介します。

サイズ費用相場
横幅2,730mm×奥行885mm約45万~55万円
横幅2,730mm×奥行1,785mm約55万~70万円
横幅3,640mm×奥行1,785mm約60万~75万円

サンルームを設置・後付けができない場合とは?

サンルームを設置できないケースもあるので、以下で確認しておきましょう。

  • ・マンションなどの規約違反
  • ・設置に必要な幅・高さ・奥行きがない
  • ・サンルームの屋根を固定するスペースがない
  • ・住宅の骨組みが軽量鉄筋
  • ・外壁保証がついている

上記のケースに該当している場合は、サンルームを設置できない可能性が高いです。

自治体や工事業者に確認をしてください。

サンルームを設置して後悔しないためには?

サンルームの設置後に後悔しないためには、どうすれば良いのでしょうか?

以下で後悔しないためのポイントを紹介します。

サンルームを設置する場所をよく検討する

サンルームを設置する場所を十分に検討しましょう。

設置場所によっては、プライバシーが保たれなかったり、日当たりが悪かったりするためです。

サンルームの最適な設置場所は、サンルームの用途や使用目的によって変わってきます。

例えば、洗濯物を干す目的の場合、日照時間が長い場所が良いでしょう。

ガラスを二重にするなどの工夫をする

サンルームを快適な環境にしたいという人は、ガラスを二重にすると良いでしょう。

ガラスは熱を伝わりやすい性質をもちますが、ガラスを二重にすることで、断熱効果を得られます。

そのため、冬場でも快適に過ごせるようになります。

まとめ

今回の記事では、

  • ・サンルームが固定資産税の対象となるか
  • ・サンルームの後付けがバレる可能性
  • ・サンルームのメリット・デメリット
  • ・サンルームの費用
  • ・後悔しないためのポイントなど

について解説しました。

サンルームは固定資産税の課税対象になる可能性が高いです。

「サンルームを増築してもバレない」と考えて申告をしないと、撤去を求められる可能性もあるでしょう。

テラス囲いやウッドデッキの場合は、必ずしも課税対象になる訳ではないですが、自治体に確認することをおすすめします。

関連記事
【2024年最新】新築住宅で使える補助金を一覧で解説

『人生で最大の買い物』と言われるマイホーム。 せっかくなら補助金を賢く活用して、おトクにマイホームを購入したいですよね。 そこで今回は、2024年の新築住宅の補助金など住宅取得支援事業の最新情報をまとめてみました。 新築 […]

暮らしのヒント
新築クロスが白すぎた?失敗した時の対処法や後悔しないための注意点とは

新築のクロスが白すぎて後悔した人の声、白いクロスのメリット、後悔・失敗しないために気を付けるポイント、新築のクロスが白すぎたときの対策方法、白のクロスの種類、クロスについてのよくある質問について解説します。

暮らしのヒント
完全分離型の二世帯住宅に住むお嫁さんの気持ちと寄り添う方法を紹介


住まいのコラム の抜粋
 完全分離型の二世帯住宅に住むお嫁さんの気持ち、完全分離型の二世帯住宅にして後悔したポイント、メリット、成功させるためのポイント、費用、注意点、向いている人の特徴を解説します。

暮らしのヒント