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TOPICS住まいのコラム

トントンのクリスマス

暮らしのヒント
2022.12.25

12月の寒い朝。
そろそろクリスマスの準備をしなければと
トントンは、クリスマスツリー?を出しました。

そして、次は飾りつけ。
ところが、クリスマスのオーナメント(飾り)が見つかりません。

「おかしいなぁ。たしかにツリーと一緒に しまっておいたのになぁ。」

クローゼットの中を全部出しても、どこにもありませんでした。

「こまったなぁ・・・」

トントンは、兄弟を集めて言いました。
「クリスマスツリーを出したけど、オーナメントがなくなってしまったよ。」

それを聞いた兄弟たちは、次々と言いました。

「それは大変! 飾りのないクリスマスツリーなんて、
 イチゴののってない たんじょうびケーキだよ!」とタンタン。

「みんなで手分けして、オーナメントを集めてくればいいんじゃないかな。」とテンテン。

それを聞くやいなや
「じゃあ、ボク何か探しに行ってくるよ~!」
と飛び出して行ったのはリンリンです。

「みんなでステキなオーナメントをさがしてこよう。
 ボクは街のみんなにも、あまってないか聞いてみるよ。」
トントンがそういうと、みんな思い思いのところへ
オーナメントを探しに出かけて行きました。

家から飛び出したリンリンは
思いつきました。
「紅葉がきれいな山の中に
ステキなオーナメントがあるかも!」

そこで町からはちょっと遠いけどたくさん木があるノキ山に飾りを探しに行きました。

「う~ん。なかなかかわいいオーナメントにできるものが無いなぁ。」

ひたすら山の中を歩き続け、ひらめきました。
「あ!そうだ!自分で作ればいいんだ!!」

リンリンはまつぼっくりを見つけ、赤い実や葉を使ってオーナメントをつくりました。

「よし、かわいいものが出来たぞ!」

「ボクはお友だちに相談してみようかな!」
とタンタン。

タンタンは、ジュジュ広場に向かうことにしました。
ジュジュ広場なら、だれかお友だちがいると思ったからです。

「今日は誰がいるかなあ…?」

ジュジュ広場に入ったとたん、声が聞こえてきました。

「タンターン ‼ 」

よんでいるのは、犬と散歩していたマイマイでした。

「やあ。マイマイ久しぶりだね ‼
 ちょうどよかった。
 ボクは今クリスマスツリーのオーナメントを探しているんだ。
 でも どういうのを探したらいいか わからないから
 マイマイのクリスマスツリーを見せてくれない?」

と、お願いしてみました。
すると

「いいよ!昨日ちょうど飾ったところなの。
 いっしょに うちへ行きましょう。」

とマイマイはこころよく見せてくれることになりました。

「ありがとう!」

タンタンは、お礼をいいました。
そして、マイマイの家にどんなクリスマスツリーがあるのか
楽しみになりました。

「ここが私のおうちだよ!」

ジュジュ広場から少しだけ歩いて、

2人はマイマイのおうちに着きました。

「えぇ?!ここなの?!すっごく大きくない?!?!」

想像以上の大きいおうちにタンタンはびっくりぎょうてん。

「みんなでのびのび過ごせるおうちを建てたんだ♪
もちろん、トータテでね!」

「これだよ!昨日お母さんと一緒に飾りつけしたんだ!」

そこにはきれいに飾り付けられた大きなクリスマスツリーがありました。

「いっぱい飾り付けちゃったから、オーナメントをどれか持って帰らない?」

マイマイがそう言ってくれたので、タンタンは飾りの中から1つ選ばせてもらうことにしました。

「マイマイ、ボクこの天使がほしいな…!」
と、タンタンは天使を指さしました。

一目見たときからこころうばわれていた天使です。

「いいよ!おうちで飾ってね!」
と、マイマイは天使をツリーからはずして、タンタンにくれました。

そのころ テンテンはフレーム川のほとりの
ススキ野原にきていました。

「なにか オーナメントになるものはないかなぁ~」 

と探していると木が落ちていました。

「そうだ! この木でオーナメントを作ればいいんだ!
 お願いするのにぴったりの人がいるから ころがしていこう!」

うんしょ。

うんしょ。

テンテンは、いっしょうけんめい
ころがしました。

うんしょ うんしょと ころがして

ころがして ころがして

ようやく目的の場所にたどりつきました。

「ノミ棟梁~! いますか~?」
テンテンは大きな声で呼びました。

「おぉ~。テンテン どうしたんだい?」

ノミ棟梁は、うでのいい大工の棟梁です。
トントンの家も、ノミ棟梁に作ってもらったので
そのときからなかよくしてもらっています。

「お願いがあるんです。
 ぼくの家のクリスマスツリーに飾るオーナメントが
 なくなってしまったので、この木でオーナメントを
 つくってくれませんか?」

テンテンは、お願いしました。
するとノミ棟梁は

「木のことならまかせてくれよ!
 世界に一つだけの、とびきりのオーナメントを作ってあげよう!」

とすぐにとりかかってくれました。

「すご~~~~~い!!!!!」

なんと、ノミ棟梁がつくってくれたのは “木彫りの熊” でした。

「さすがノミ棟梁!ステキなものができあがったぞ!
早くみんなに見せたいなぁ。」

ノミ棟梁はおうちだけでなく、なんでもつくれちゃうんですね。

“木彫りの熊”に おおよろこびのテンテンでしたが
ハッと気づきました。

「この熊 ツリーにかざれるかな・・・」

するとノミ棟梁が
「じゃあ、おまけで作ったこいつも持って帰るかい?」
と、手に持っていたのは

「あ~‼ ボクたちのお家だ~‼ 
 ステキだよ!ありがとう。
 両方飾るね~」
テンテンは、お礼を言って大満足で
家への帰り道をいそぎました。

トントンは、どんな飾りにしようかと
悩みながら歩いていると
リンカ池についていました。

そうだ、ここに相談するのにぴったりのお方がいたぞ。
呼んでみよう!

「カメじい~~~~~~!」

大きな声で呼ぶと、しばらくして池の真ん中の石に

「よっこらしょ」
という声とともに カメじいがあらわれました。

「久しぶりじゃのぉトントン。
 どうしたんじゃ。」

「カメじい。ボクの家のクリスマスツリーのオーナメントを なくしてしまったんだ。
 新しい飾りを探しているんだけど、何か飾れるものはないかなぁ。」
 
するとカメじいは、
「ちょっと待ってなさいよ。」
と、また静かに水の中に帰っていきました。

水の中から出てきたカメじいは

「わしの大切なお宝を飾るといいぞ!
じゃが問題は宝箱のカギをなくしてしまってのぉ~」
するとトントンが

「だったら僕がカギを探すのを手伝ってあげるよ!」

そして、トントンとカメじいは二人でリンカ池のなかに入っていきました。

リンカ池の中に入ったトントンとカメじいはさっそくカギをさがしはじめました。

トントンは泳ぐのが得意なのでお魚たちと一緒に泳ぎながらさがしました。
するとカメじいが

「泳ぐのがはやすぎるわい~もう少しゆっくり泳いでおくれぇ~」
と後ろからついてきました。

お魚たちに協力してもらいカギをさがしましたが、なかなか見つかりません。
すると池の底から何かキラキラ光るものが見えました!

みんなでキラキラしたものに向かって泳いで向かうと
その正体は背中にたくさんのかざりをつけた大きなカニでした!

はじめはびっくりしてしまいましたが、
落ち着いてその飾りを見てみると・・・なんと!
背中にカギがついていました!

するとトントンが

「初めましてカニさん!
 その背中についているカギはこの宝箱のカギかもしれないんだ。
 かえしてくれないかな?」

カニさんは

「初めましてトントン!
 キラキラしたものが好きでつい背中にかざってしまうんだ。
 君の落とし物だったんだね」
とかえしてくれました。

かえしてもらったカギで、宝箱を開けると
ピカピカ光る、真珠のネックレスが入っていました。

「この池でとれた真珠をあつめておいたのじゃ。
 これを飾ったら、クリスマスツリーも
 華やいで見えること、まちがいなしじゃ。」
とカメじいは、ほこらしげに言いました。

「ありがとう!カメじい!
 クリスマスが終わるまで、借してもらうね!」
トントンは、この飾りをクリスマスツリーに
クルクルまこうと考えました。

松ぼっくりのオーナメントを作って家へ帰ったリンリンは、あらたなオーナメントを探しに再び家を飛び出しました。

しばらく歩いていると遠くから誰かが歩いてくるのが見えました。

「おーい!君は誰なんだい??」

歩いてきたのは、創創(ソウソウ)でした。

「やぁ!リンリン!」

「こんにちは!創創さん。
どうしてここにいるの?」

「笹を探しに来たんだ。ほら、こ~んなに手に入ったよ。」
創創は背中に背負っているたくさんの笹を見せてくれました。

「それはそうとリンリンこそ、ここで何をしているの?」

「クリスマスツリーに飾るオーナメントを集めているんだ。
創創さん、何かいいものは無い?」

「そうだなぁ。
う~~~ん・・・・・・・よし!分かった!!」

「この笹たちを置きたいからいったん家に帰ってもいいかい?」

笹を置くため2人は創創の家へ向かうことにしました。

「うわすごい!ツリーハウスだ!!」

初めてツリーハウスを見たリンリンは大興奮。

「すごいでしょ?僕の自慢の家なんだ!
とりあえずお腹が空いたから、ここでご飯を食べてからオーナメントを作ろう!」

そうして2人は創創の家で一旦ご飯を食べることにしました。

おうちに入り、二人でりんごを食べていると、
とつぜん創創が立ち上がり、

「はっ!そういえば、昔使った小道具があるぞ!」

と言ってクローゼットから袋をとり出してきました。

「これをツリーに飾るといいよ。
 白雪姫の劇をしたときに使ったんだけど、もう使わないからね。」

リンリンが受け取った袋の中には、
りんごのレプリカと真っ赤なリボンが入っていました。

「ありがとう!創創。とってもきれいなツリーになりそうだ!」

そう言ってリンリンは、自分のおうちに帰っていきました。

リンリンが家に帰ると、先に帰っていた3人がお披露目会をしていました。

「僕もたくさん集めてきたよ!」

リンリンはそう言って、集めてきたオーナメントたちをテーブルの上へ広げました。

「うわあ、たくさんある!」
「リンゴがピカピカしてる!」

テンテンとタンタンは大喜び。

でもトントンは、
「なんだか物足りない気がするなあ…」

と、考え込んでしまいました。

♪ピンポーン

チャイムが鳴り、玄関の扉を開けると
クリスマスジンジャーブレッドマンが来ていました。

「クリスマスツリーのオーナメントを集めていると聞いて、
ついつい来てしまったよ。
オーナメントをクッキーで作ったらいいと思うんだ。」

「そうだね。作ってみよう!
作り方を教えてくれるかい?」

さっそくトントンたちは、クッキーを作り始めました。

「ボクはサンタさん作る!」
「じゃあ、相棒のトナカイさんを作ろうかな!」

トントン4兄弟とジンジャーブレッドマンは、
クッキーでオーナメントづくりを楽しみました。

「さあ!全部できたぞ~!」

出来上がったクッキーのオーナメントや、
みんなが持って帰ってきたオーナメントを
どんどんクリスマスツリーに飾り付けていきます。

「このリボンどこに飾ろう?」

「ツリーが高くて届かないよう!」

そんなこんなでどんどんクリスマスツリーが飾り付けられていきます。

「よーし、あとはてっぺんの星だけだ!」
「でも星が見当たらないよ?」

さあ、どうやってツリーのてっぺんに星をつけるのでしょうか?

「そうだ‼
 星なら、いつもいるじゃないか!」

とトントンは窓をあけました。
そこには、お星さまがいて
ちょうどクリスマスツリーのてっぺんとかさなりました。

「やったぁ~!
 クリスマスツリーの完成だね!」
とみんなは おおはしゃぎ。

クラッカーをならしてパーティーのはじまりです。

みなさんも、良いクリスマスを。
そして、朝にはサンタクロースからの
プレゼントが届きますように。

おわり

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