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高気密高断熱住宅の仕組み、メリットとデメリットについて詳しく解説

住まいを建てたい
2022.12.14

昨今の電気料金の値上げや省エネ意識の高まりに伴い、「高気密・高断熱」の住まいづくりが注目を集めています。

「高気密・高断熱」と聞くと、寒い冬を快適に過ごすためのものと思われがちですが、年々厳しさを増す夏の暑さ対策や、住まいの長寿命化につながるなどのメリットがあり、住まいづくりで外せないポイントです。

そこで今回は、高気密・高断熱の住まいのメリット・デメリットや家づくりのポイントについてご紹介します。

高気密高断熱の住まいづくり

今なぜ高気密・高断熱住宅が注目されているのか?

高気密・高断熱住宅は、省エネ対策以外にも様々なメリットがあります。

はじめに高気密・高断熱住宅のメリットや特徴をお話しします。

省エネだけでない高気密・高断熱住宅のメリットとは?

高気密・高断熱住宅のメリットは、「省エネ(エネルギー消費の効率化)」、「光熱費の削減」、「ヒートショックの防止」、「住まいの長寿命化」です。

外気の寒さや暑さの影響を受けにくい高気密・高断熱住宅は、冷暖房器具の稼働を抑え、省エネにつながります。

それにより、結果的に光熱費の削減も期待できます。

比較住宅:H28省エネ基準住宅
床面積約36坪の当社参考プランに基づく各商品の標準仕様でのシミュレーション結果です。性能値、光熱費は実際の設計プラン、電気料金により異なりますので、あくまで目安としてご参照ください。

参考:トータテの断熱システム

ヒートショックは、特に冬場に多く、温度差により心臓や血管に疾患が生じる現象をいいます。

寒い浴室から熱い浴槽に入る際に注意が必要というのは、ご存知の方も多いはず。

住まいの中では、浴室以外にも、トイレや脱衣室、廊下や玄関など、冷暖房器具が設置されていない部屋は意外と多いものです。

高気密・高断熱住宅にすると、室内の温度変化が小さくなり、ヒートショックのリスクが低減されるだけでなく、家のどこにいても快適に過ごせます。

また、高気密・高断熱住宅は、木造住宅の弱点である結露の発生を抑えるため、住まいそのものが長持ちする効果も得られます。

というのも、結露が少なくなると、内部の木材の腐食を抑制するだけでなく、シロアリが集まりにくくなるからです。

そのほかの高気密・高断熱住宅の魅力とは?

住まいを吹き抜けにすると、冬場に室内が寒くなる、あるいは光熱費が高くなるというイメージがありませんか?

しかし、高気密・高断熱住宅は、家全体の温度ムラが生じにくいため、壁で仕切った部屋も、オープンな空間も大差はありません。

つまり、高気密・高断熱にすることで、住まいの間取りの自由度が高くなるといえるでしょう。

高気密・高断熱住宅とは?

そもそも「高気密・高断熱住宅」とは、どのような住宅を指すのでしょうか?

以下で「高気密」と「高断熱」の意味について確認していきましょう。

高気密と高断熱について

高気密

高気密(こうきみつ)とは、「空気の出入りが少ない状態」です。

具体的には、窓やドアなどの隙間から空気が出入りしにくい状態を指します。

気密性が低い住宅だと、屋内と外部の空気が移動しやすく、外気温の影響を受けやすくなるのです。

そのため、防湿シートや気密テープなどを使用することで、気密性を高めようとする人が多く見受けられます。

高断熱

高断熱(こうだんねつ)とは、「室内と屋外の熱の移動が少ない状態」です。

断熱性が高い住宅だと、室内の気温が変化しにくくなり、夏場は涼しく、冬場は暖かく過ごすことができます。

断熱性を向上させるために、外壁と内壁の間に断熱材を入れたり、断熱性が高い窓を設置したりする人も多いです。

外断熱と内断熱の違いと断熱のしくみ

住まいを断熱する方法には、「外断熱」と「内断熱」があり、それぞれ使用する断熱材の種類や設置箇所に大きな違いがあります。

外断熱は、住まい全体を断熱材ですっぽりと覆う方法です。

建物全体を完全に断熱するため、温度差が生じにくく結露を防止できるとともに、水分や湿気の屋内への浸入をシャットアウトします。

内断熱は、グラスウール、セルロースファイバーなどの断熱材を、壁の内側や天井、あるいは床下に敷き詰める方法です。

外断熱と比較して、施工が容易でかつ安価なものの、気密性に劣ります。

参考:トータテの断熱システム

高気密・高断熱住宅の魅力やメリットは?

高気密・高断熱住宅の魅力やメリットには以下の7つが挙げられます。

  • ・省エネ(エネルギー消費の効率化)
  • ・光熱費の削減
  • ・ヒートショックの防止
  • ・住まいの長寿化
  • ・間取りの自由度が高くなる
  • ・結露の防止
  • ・防音効果もある

それぞれのメリットについて、以下に解説します。

省エネ(エネルギー消費の効率化)

高気密・高断熱住宅はエネルギー消費を抑える効果があります。

断熱性が高いため、暖房や冷房のエネルギーが外に逃げにくく、一年を通して快適な室温を保つことができます。

これにより、電気やガスなどの使用量を減らし、省エネルギーに貢献することが可能です。

光熱費の削減

高気密・高断熱住宅にリフォームすることで、光熱費の削減効果を期待できます。

高気密・高断熱住宅は外気温の影響を受けにくいため、冷暖房にかかる光熱費を節約できるためです。

例えば、夏場は室内を涼しく保つことができるため、必要以上にエアコンを使用する必要がありません。

冬場も同様に、冷たい外の空気による影響を受けにくく、暖房にかかる光熱費を節約できるのです。

ヒートショックの防止

ヒートショックを防止できる点も、高気密・高断熱住宅にリフォームするメリットの一つでしょう。

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が変化し、脳卒中や心筋梗塞などの症状を引き起こすことです。

例えば、暖房のきいたリビングから、気温の低いお風呂場に移動した際などにヒートショックが起きる可能性があります。

特に、高齢者の方はヒートショックになりやすいため、高気密・高断熱の住まいづくりを目指すことが重要なのです。

住まいの長寿化

高気密・高断熱住宅にすることで、住まいの長寿化を目指すことができます。

住まいの長寿化とは、いわば家を長持ちさせられるということです。

家が長持ちしやすくなる理由には、「室内の湿度が一定に保たれるため、結露が発生しにくくなるから」ということが考えられます。

結露によってカビが発生すると、建物は劣化しやすくなるため、高気密・高断熱住宅にすることで建物を長く維持できるのです。

間取りの自由度が高くなる

間取りの自由度が高くなる点も、高気密・高断熱住宅のリフォームをするメリットと言えるでしょう。

高気密・高断熱住宅は、家全体の温度を一定に保てるため、従来の家にあるような仕切りを必要としません。

例えば、2階建ての住宅の場合、通常は廊下をいったところに階段がありますが、高気密・高断熱住宅にすることでリビングの中に階段を作ることも可能になります。

ドアや壁、廊下などの仕切りを気にせず、自由に間取りを設計したいという人は、高気密・高断熱住宅を検討すると良いでしょう。

結露の防止

高気密・高断熱住宅にリフォームすることで、結露を防止することが可能です。

結露とは、空気中の水蒸気が冷やされることで水滴に変わる現象を指します。

より具体的に説明すると、外気で冷やされた窓ガラスによって「室内の空気」が冷やされることで、水蒸気が液化し、窓ガラスの表面などに水滴となって現れます。

結露が発生するとカビが発生しやすくなり、家が劣化しやすくなるため、結露の防止効果は大きなメリットになり得るのです。

防音効果もある

高気密・高断熱住宅にリフォームすることで、住宅の気温を快適に維持できるだけでなく、防音効果も得られます。

気密性や断熱性を向上させるために使用する「住宅断熱材」が防音の役割も担うためです。

室内の音が外に漏れにくくなるため、小さいお子様がいるご家庭や、ピアノなどの習い事をしているご家庭にとっては大きなメリットと言えます。

このように、高気密・高断熱住宅にはさまざまなメリットがあるため、高気密・高断熱住宅へのリフォームを検討している人は数多く存在するのです。

高気密・高断熱住宅は後悔する?デメリットや注意ポイントは?

上記で高気密・高断熱住宅のメリットについて説明しました。

それでは、高気密・高断熱住宅にするデメリットはあるのでしょうか?

乾燥しやすい

高気密・高断熱住宅のデメリットとして、乾燥しやすい点が挙げられるでしょう。

気密性と断熱性が高いということは、外気から湿気が流入しにくいということです。

そういった状況でエアコンなどを使用すると、部屋が乾燥しやすくなります。

ただ、近年は熱交換型の換気システムを導入するケースも多く、工夫次第では乾燥を防ぐことが可能です。

ちなみに、部屋が乾燥しているからといって加湿器を過度に使用してしまうと、結露が発生しやすくなるため注意してください。

建築費用が高い

建築費用が高い点も、高気密・高断熱住宅のデメリットの一つです。

通常の住宅と比較すると断熱材などを用意したり、性能の良い窓ガラスを設置したりするため、コストが高くなる傾向にあります。

しかし、高気密・高断熱住宅の方が初期費用が高くなりやすいですが、光熱費を抑えることができるため、長期的に見ると高気密・高断熱住宅の方がコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

空気がこもりやすい

高気密・高断熱住宅のデメリットとして、空気がこもりやすい点を挙げる人も少なくありません。

外気が流入しにくくなるため、空気がこもりやすくなるのです。

特に化学物質やハウスダストが留まりやすくなると、シックハウス症候群やアレルギー症状が引き起こされる可能性が高まります。

しかし、現在は換気システムを設置する必要があるため、そこまで心配する必要はないでしょう。

さらに、高気密住宅は、外部からの不意な空気の流入を防ぐため、空気の流れをコントロールしやすく、効率的に換気することができます。

結露やカビが発生する可能性がある

高気密・高断熱住宅にすることで、結露やカビが発生しにくくなりますが、完全に結露やカビを防げる訳ではありません。

室内は結露やカビが発生しにくいですが、壁内で結露やカビが発生することがあるのです。

ただ、断熱材を隙間なく詰め込むことで、結露やカビの発生を防止することができます。

高気密・高断熱住宅づくりのポイント

ここでは、外断熱と内断熱の違いなど高気密・高断熱住宅の仕組みや、快適な住まいの実現に向けたポイントを解説します。

窓断熱が一番重要なわけとは?

住まいの熱の出入りの多くは開口部から生じており、ある調査によると、夏場は熱の約70%が入ってきて、冬場は約50%が出ていっているそうです。

開口部、つまり窓を断熱すると、屋内と屋外の熱交換を効率的に遮断できます。

窓を断熱する方法は、断熱(複層)ガラスを取り付ける、内窓を設けて二重窓にする、サッシの素材を変えるなどの方法があります。

トータテハウジングでは、断熱性能が高い樹脂サッシ標準採用しています。

参考:トータテの断熱システム

調湿できる素材選び

高気密・高断熱住宅は、特に湿度が高いと不快に感じるだけでなく、カビが発生する原因にもなるため、湿度のコントロールが重要です。

室内の湿度を適度に保つため、木や漆喰などの自然素材や、調湿性能を有するエコカラットなどのタイルを使用するとよいでしょう。

軒や庇(ひさし)を設けるなども有効

軒や庇(ひさし)は、太陽の角度が高い夏場において、日射遮蔽効果が得られるため、南側に面した部屋の室温上昇対策として有効な方法です。

軒や庇のほか、すだれやブラインドも日光の遮蔽効果が得られます。

高気密・高断熱住宅づくりにまつわる補助金など優遇制度

高い省エネ性能を有する住宅を新築、あるいは購入する際に、補助金や減税制度を活用できます。

ここでは、主な補助金・減税制度を紹介します。

住宅省エネ2024キャンペーン

住宅省エネ2024キャンペーンとは、国土交通省や経済産業省、環境省によって実施されている補助金制度です。

より詳しく説明すると、住宅省エネ2024キャンペーンは「子育てエコホーム支援事業」や「先進的窓リノベ2024事業」、「給湯省エネ2024事業」、「賃貸集合給湯省エネ2024事業」によって構成されています。

各事業によって交付される補助金の金額や要件、申請方法などが異なるため、それぞれのホームページで詳細を確認することが重要です。

なお、予算に対する補助金申請額の割合についても、進捗状況を公式ホームページで確認することができます。

住宅ローン減税

高気密・高断熱住宅にすることで、住宅ローン減税で有利になる可能性があります。

住宅ローン減税とは、「年末のローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除できる制度」のことです。
居住ニーズに応じた住宅づくりを促進するために、住宅ローン減税の制度が設けられました。

同制度を利用する場合は、省エネ基準を満たす必要があるため、しっかりと要件を確認することが大切です。

なお、下記の記事では、リフォームで使える補助金について紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:【2023年最新版】リフォームでもらえる補助金について解説!

トータテハウジングの「もっと省エネ、もっと快適」を叶える『ENEIE』についてご紹介

「ENEIE(エネイエ)」とは、トータテハウジングが提案する注文住宅です。

以下で、ENEIEの魅力について紹介します。

太陽光発電+大容量蓄電池

ENEIEでは、「太陽光発電+大容量蓄電池」のシステムを導入しています。

そのため、月々の光熱費を「約1万5千円」節約できるのです。

年間で考えると「約18万円」になるので、大幅に光熱費を節約できることがわかります。

さらに、「太陽光発電+大容量蓄電池」は非常用電源として使用することも可能です。

災害時にも電気を使用できるようになるため、いざという時のために備えることができます。

高次元の断熱性能

ENEIEは「高次元の断熱性能」を誇ります。詳しく説明すると、従来の「充填断熱」に加え、壁の外側をカバーする「外断熱」も利用しているため、ダブル断熱を実現しているのです。

月々の光熱費に関しては、「約1万円」節約できます。年間で考えると年間「約12万円」ということです。

「太陽光発電+大容量蓄電池」と合計で考えると、年間「約30万円」の節約になります。

全館空調

ENEIEは「全館空調」の仕組みを採用しています。

1台のルームエアコンを設置するだけで、家全体の温度を一定に維持できるのです。

各部屋にエアコンを設置する必要がないため、光熱費を大幅に節約できます。

さらに、風量調整できるスイッチが各部屋に設置されており、お好みの室内環境を実現することも可能です。

興味のある方は、トータテハウジングの公式サイトをご確認ください。

まとめ

今回の記事では、

  • ・高気密・高断熱住宅の仕組みやメリット・デメリット
  • ・高気密・高断熱住宅づくりのポイント
  • ・高気密・高断熱住宅の優遇制度
  • ・トータテハウジングの注文住宅「ENEIE」

について解説しました。

光熱費の削減やヒートショックの防止、住まいの長寿化など、高気密・高断熱住宅にすることで、数多くのメリットを得られます。

高気密・高断熱住宅へリフォームするにはイニシャルコストはかかりますが、長期的に見ると高いコストパフォーマンスを期待できます。

トータテが提案する高性能モデルハウスは「省エネ×デザイン」をコンセプトにしており、洗練された外観に加え、環境に優しい設計となっています。

高次元の断熱性能の住宅を目指すことで、月々の光熱費を節約できます。詳細情報は公式サイトからご確認ください。

>>省エネ性とデザインの融合がもたらす上質な暮らし|モデルハウス・見学予約 – トータテハウジング(広島で注文住宅の設計・施工)

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